奇抜なタイトルですが、大したことは書いていないです。回し者でも擁護論者でもありませんw
先日飲食店をこれからなさる方から問い合わせがあって、そのやりとりの中でこういった意見があったので自分なりの意見をまとめて返信いたしました。一部だけ抜粋しています。人を介したやりとりで、匿名なので転載しても良かろうと判断しました
Q.こちらの方だと、JAが上の立場で、叩かれて安い野菜や農薬使って“いい”野菜にしなくてはいけないというのがあって、それに対しておかしくないかなぁと思っている
→偏見です。多くの生産者はJAからの恩恵に預かっていますし、運送から販売代金清算、入金の多くの手間を一括でになっています。多くの生産者は自分で売りたいと思っていません。またそのノウハウもありません。加えて現実的に何十haもある面積の野菜を一つ一つ手売りなんて不可能です。叩かれて安いは、需要と供給です。今年のように天候不順で供給が間に合っていないときは野菜の値段も良い値がつきますし、需要がなければ安くなるのは当然です。
Q.農薬使って“いい”野菜にしなくてはいけないというのがあって
→いわゆる“いい”野菜とは見た目、形、色に関してだと思うんですが、それをいけなくしてきたのはJAではなく、私たちを含めて消費者です。生産者の立場からして言うと、規格が揃っていれば、箱詰めの手間や資材コストも抑えられます。また規格のものは規格外のものと比較して味はいいと思います。それはその野菜がストレスなく育っているからです。大根や人参であれば、股根のものは栄養は分散しているでしょうし、曲がったキュウリであれば、繊維が片側によっていると思います。ちなみに現在の先進有機無農薬、減農薬生産者さんたちも規格に対しても厳しい目でやっておられます。
Q.味がおいしいのに見捨てられてしまう野菜とかに光を当てたいなと思っている。
→B品をくれってことでしょうか?見捨てられてしまう野菜は多くはA品を揃えた結果であって、間違ってもB品だけを収穫するようなことはありません。手間になるだけです。B品をA品同等の価格で購入する覚悟があるのなら、それでも良いと思います。またB品を流通させようなんて思わないでいただきたい。B品を流通させることはA品の値をさらに崩しかねない危険をはらんでいます。
Q.東京の方ではJAを通さない八百屋さんと取引をしたい
→物流の流れを言いますと
生産者→JA→市場(大田市場など)→仲卸→小売(八百屋、スーパーなど)です。JAは販売はしません。あくまで地域の生産物の集荷拠点です。
その後の返信の中で知らなかった、勉強不足だったっておっしゃっていましたし、どこのJAを見てそうお考えになったかはわかりませんが、おおかた一般の方のJA農協に対するイメージってこんなものなのかとも思いました。自分も良くはないけどwこの人はもっと悪いぞ(笑)しかも農業者ではない。頑張れ農協(笑)
おき農園としては、農協運営の直売所に時どき出荷はしてはいます。今は生産部会で出荷することはないし、この先もないであろうし、擁護する理由もありません。もちろん旧態然としたシステムや時代に沿っていないなものがたくさんあります。それでも農協が少なからず地域へ果たしてきた側面だってあることも頭に入れておかないといけないんじゃないでしょうかね。好き嫌いは別として。
他の質問項目もいろいろ書きたいですが、全部イメージで考えてくるんだね。私は今からいいことしますよ感が半端ないw知らないことは仕方ないです。自分が飲食店さんの事をわからない事と同様です。けれどわからないことに対して勝手な憶測や思い込みで考えることは避けるようにすべきですよね。多くは調べれば簡単に情報を得られるようなものもあって、分かった気になっている、調べた気になっている、最悪はその行為事態をしないままになっている事が問題なのではないかと思います。今は情報過多の時代です。SNSを見れば根拠もない情報が垂れ流れてきます。正しいと思われる情報を得るには、現場にいって自分の目と耳で見たもの聞いたものをなおかつ俯瞰する判断力が必要なんではないでしょうか。
農産物に限ってはとにかく生産者のところに足を運ぶ。知る。光を当てるべきは農産物ではなくて人に当てるべきです。その生産者がどこでどうやってどう考えでどんな苦労があってを伝える事が「作り手と食べ手をつなぐ」飲食店さんの役割ではないかと思います。それができたらどこから仕入れるなんてさして問題ではないと考えています。